見えないもの
いつか消えてなくなるもの。
失うことが恐くて
記憶を
忘れぬようにと思ってきた。
波の音の中で
もういないお父さんとお母さんの夢を見て
何故だか
この目に
この胸に
やきつけておこうと思った。
今だから
見れるんだ、
感じれるんだ、と強く意識して。
もう
お父さんとお母さんとの
未来はないとそこで知っていたから。
でも
夢からさめたら
何にも失くしてないことを感じた。
見えないことは
消えてなくなることは
いつでもそばにあることだと
波の音が、空が、風が教えてくれて。
だからかな。
余計に
今 見れること
今 香ること
今 味わえること
今 聴こえる音
今 触れられることを
存分に感じて過ごしたいと思った。
それを教えにきたように思えた。
記憶を握りしめて
今を感じれないことは、
今を生きていない時間。
記憶にも残らず
自らを消して失くしてるんだな。
そういうのは
終わりにしようと思った
夏。
見えない力は存在し
そしてそれは愛情で
感じられなくなったら
消えるのかも。
今ここから。